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セカンドライフからの分散投資

セカンドライフからの長期運用」では、資産を運用しながら取り崩す「資産のセカンドライフ」においても長期投資が重要であることをお伝えしました。一定期間運用できることから、最低限のリスクをとった資産運用が十分可能ですが、同時に過度にリスクをとらないよう注意する必要もあります。長期運用と並ぶ重要な資産運用の鉄則、「分散投資」について、資産のセカンドライフを考える上でのポイントをお伝えしていきます。

長期投資だけではうまくいかない?

長期運用を行うとリターンを高める効果があったり、値動きが安定しやすくなるということは、お伝えしてきた通りですが、どんなものでも長く運用さえすればよいというわけではありません。

例えば、「商品価格(原油、穀物、貴金属等)」は、株式や債券のような投資先企業の成長やクーポン収入といった資産価格の上昇となる要素がなく、基本的にはその時々の物価動向を反映した値動きをするため、長期的に保有していたとしても上昇するかどうかはわかりません。

※グラフはBloombergのデータを元にりそなアセットマネジメントが作成したものです。
※Bloomberg社が公表する、世界の商品(コモディティ)市況の総合的な値動きを表した
指数であるブルームバーグ商品指数を使用しています。

また、一時高利回りで注目されていたトルコやブラジルといった新興国の通貨も、グラフの通り経済成長の低迷に伴い大きく価値が下がってしまっています。

  • 各グラフはBloombergのデータを元にりそなアセットマネジメントが作成したものです。

需給要因で価格が変動するものや、経済規模の小さい特定の国等への集中投資には注意が必要なことがわかるかと思います。
長期運用はもちろん大切ですが、上記の例のように、長期的に保有したとしても報われないことも残念ながらありえます。「長期的に成長が期待できる資産」に投資を行うことが非常に重要です。

偏った投資は危険!

成長が期待できる資産への投資が大切と話しましたが、セカンドライフでは現役世代に比べて、一般的に収入額が少なくなることが大きな特徴です。現役世代と比較して、追加的な投資金額を確保することは難しくなるため、長期運用できる十分な期間があるとはいえ、株式やリートといったリスクが高い資産だけに投資を行うのは、投資タイミングの影響が大きいため避けた方が良いでしょう。少しリスクを抑えた運用を行うことは、投資タイミングによる影響を抑えることができるため、セカンドライフの資産運用としては非常に理にかなっているといえます。

※グラフは1999年12月末~2021年10月末まで、各時点までの10年間、外国株式に投資を行って運用した場合と8資産(国内債券、先進国債券、国内株式、先進国株式、新興国株式、新興国債券、国内リート、先進国リート)に均等投資を行って運用した場合のリターンを示したものです。
※各資産の使用インデックスは、ページ下部をご覧ください。
※グラフは過去のある一定期間のパフォーマンスを示したもので将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。

ここで、実際の資産価格のデータを用いて、資産分散の効果について見てみたいと思います。上の左のグラフでは、世界株式にのみ投資を行った場合、右のグラフは国内債券、先進国債券、国内株式、先進国株式、新興国株式、新興国債券、国内リート、先進国リートの8資産に均等に投資を行った場合で、10年間運用を継続した際のリターンを示しています。

外国株式に投資を行った場合、運用の終盤に大きな下落がある場合など、タイミングによってはマイナスのリターンになってしまうこともあります。一方で右側の分散投資を行った場合では、どのタイミングで投資を始めていても、リターンがプラスになってます。

10年間も運用を続けた結果、リターンがマイナスとなってしまうのは非常に残念ですよね。特に資産のセカンドライフでは取り崩すことも考える必要があります。セカンドライフの長期化で、「資産のセカンドライフ」の延伸のためには一定のリスクをとった運用も大切になってきますが、しっかりと分散投資を行い、リスクを抑えることが非常に重要です。

長期×分散で世界経済の成長を享受する

最後に、過去30年間で8資産に均等投資を行っていた場合のパフォーマンスを見てみましょう。

※1989年12月末時点から2021年10月末まで3,000万円を8資産(国内債券、先進国債券、国内株式、先進国株式、新興国株式、新興国債券、国内リート、先進国リート)に等分で投資を行った場合と世界株式のみに投資を行った場合でりそなアセットマネジメントがシミュレーションしたものです。世界株式はMSCI ACWI指数(配当込み、円換算ベース)を使用しています。
※その他8資産での使用インデックスは、ページ下部をご覧ください。
※運用における手数料・税費用等は考慮しておりません。また、グラフは過去に運用を行ったと仮定してシミュレーションしたもので将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。
※GDP推移についてはIMF世界経済見通し(World Economic Outlook)のデータを元にりそなアセットマネジメントが作成したものです。

1989年12月末に8資産に均等投資して2021年10月末まで運用を継続した場合、リターンは年率で5.9%、世界株式のみに投資を行った場合は年率7.6%です。リスクを見てみると当然ながら世界株式のリスク水準は8資産均等投資と比べて高くなっていることがわかるかと思います。

これまでのコラム(「人生100年時代、60代からの資産運用(資産のセカンドライフ)」、「セカンドライフからの長期運用」)で、資産のセカンドライフの運用として、3,000万円を年率4%で運用しながら毎月14万円を取り崩すシミュレーションをしてきました。運用資産や期間によってもちろん差はありますが、この例を目安とすると、大体年率4%ほどのリターン水準が必要ということになります。年率4%ほどのリターンですと、上の赤いグラフのように分散投資で一定程度リスクを抑えた投資でも、十分に資産のセカンドライフを延ばすことが可能といえます。

長期の投資リターンは「世界経済の成長」とも言われています。当然ながらこれは、資産のセカンドライフでの運用においても変わりません。バランスよく世界の経済成長をとりこめるよう資産は分散させ、リスクを抑えながら長期で運用することが、資産のセカンドライフにおいて安定したリターンを獲得していくために最も重要な要素の一つであるといえるでしょう。

まとめ

  • セカンドライフでは、最低限のリスクをとって長期的なリターンの獲得を目指すことが大切ですが、同時に過度にリスクをとらないようしっかりと資産を分散させることが重要です。
  • 偏ったものに投資するのではなく、世界経済の成長をきちんと享受できるよう長期国際分散投資で着実な資産のセカンドライフの運用をしていきましょう。

【本ページでの使用インデックス】
国内債券:NOMURA-BPI総合、ヘッジ付先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ヘッジ・円ベース)、国内株式:東証株価指数(TOPIX、配当込み)、先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース)、新興国債券:JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド(円換算ベース)、先進国株式:MSCI-KOKUSAI指数(配当込み、円換算ベース)、新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数(配当込み、円換算ベース)、国内リート:東証REIT 指数(配当込み)、先進国リート:S&P 先進国REIT指数(除く日本、配当込み、円換算ベース)、世界株式:MSCI-ACWI指数(配当込み、円換算)

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