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セカンドライフと金融ジェロントロジー

これまでのコラムで、「資産のセカンドライフ」では、資産を取り崩しながら資産運用を行うこと、加えてやはり長期投資と分散投資が重要であることをお伝えしてきました。
今回は、「資産のセカンドライフ」のコラムのまとめに加えて、昨今注目を集める「金融ジェロントロジー」についてもご紹介したいと思います。
(過去のコラムはこちら:「人生100年時代、60代からの資産運用(資産のセカンドライフ)」「セカンドライフからの長期運用」「セカンドライフの分散投資」)

これまでの運用の確認

これまでのコラムをご覧になっていただいた方の中には、もしかすると現在ご自身が保有している商品について、そのまま保有していてよいのかと考える方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言うと、現在、長期目線で分散投資をされている方は、今の運用方針をそのまま継続いただくことで問題はありません。これは、運用において本当に大切なことは「長期運用」と「分散投資」だからです。

保有する金融資産の大部分を、株式や新興国資産などのリスクの高い資産に投資している、というような極端な状況ではない限り、現在の商品を継続保有いただくことで資産のセカンドライフを一定程度伸ばすことが期待できます。

※元本3,000万円を、年率4%・3%・2%・1%でそれぞれ運用しながら毎月14万円を取り崩した場合で、りそなアセットマネジメントがシミュレーションしたものです。運用における手数料・税費用等は考慮されておりません。
※当シミュレーションはあくまで年率4%・3%・2%・1%で毎年運用できたと仮定したものであり、将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。

上の図は、3000万円を65歳から年率2%、3%、4%それぞれで運用しながら、毎月14万円を取り崩した場合と、運用をせずに毎月14万円を取り崩した場合です。毎月の取り崩し額は、夫婦2人がセカンドライフにおいてゆとりある生活を送ろうと考えたときに不足すると考えられる平均的な金額を参考に設定しています。

※生活保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」の統計を元にりそなアセットマネジメントが作成したものです。

シミュレーションのグラフを見ていくと、月々一定の金額を取り崩しながらであっても、そこまで高いリスクをとって運用する必要はなく、比較的低リスクの債券を中心とした、年率2%程度のリターンを目標とするような運用でも、運用しない場合に比べ資産のセカンドライフは5年ほど伸びることがわかります。

実際には、ご自身の保有資産や月々に必要なお金を考慮しながら、最も適した商品を選ぶことは非常に難しいですし、現在の自身の生活や経済状況が5年後もそのまま変わらないとは限りません。だからこそ資産のセカンドライフについて「何か特別なことをしなくてはいけないのではないか?」と考えすぎず、まずは、現在行っている資産運用について①長期的に継続できそうか、②分散投資がされているか、の2点をチェックいただき、現状を把握していただくことで十分足ります。

できるだけ早く考える

本コラムを通じてお伝えしてきたセカンドライフの資産運用、つまり資産を取り崩しながら運用を継続することの重要性は「金融ジェロントロジー」という新しい学術分野で、昨今調査・研究が盛んになされています。

「金融ジェロントロジー」とは、「金融」と「老年学(ジェロントロジー)」を組み合わせた言葉で、長寿社会における消費、経済活動の変化や資産管理・運用のためのサービスを研究をする学術分野です。「金融ジェロントロジー」では、これまでお伝えしてきた資産運用のあり方に加え、ご自身が健康なうちに、できるだけ早く資産運用・管理について準備していくことの重要性が指摘されています。これはどうしても、人が年齢を重ねるにつれて判断力が低下していく傾向があるからです。

※首相官邸HP 認知症施策推進のための有識者会議第2回資料からりそなアセットマネジメントが作成したものです。

グラフをみるとわかる通り、年齢が高くなるにつれ認知症の有病率が非常に高くなっています。85歳以上では約40%以上、90歳以上では60%以上が発症することを考えると、仮に将来、自分自身の認知能力が低下するようなケースが発生した場合についても想定することは、誰にとっても必要になってくるかと思います。

ご自身の意思を反映させることや、柔軟な資産管理を可能とするためには、自分自身でしっかりと合理的な判断ができる時に「資産のセカンドライフ」を考えることが非常に重要です。

現在、日本は超長寿社会の入り口にいます。長寿社会の進展や「金融ジェロントロジー」の調査・研究が進むにつれ、金融商品・サービスも徐々に変化しており、分散投資をしながら一人一人の資金ニーズにあわせ、自動的に資産の取り崩しを行う商品、万一に備えて家族で資産を管理することができる資産承継信託や、相続時に受取人が指定できる機能が付与された商品なども注目を集めつつあります。

まずは、現在の運用を続けながら、少しずつ今後の「資産のセカンドライフ」について考えはじめてはいかがでしょうか。本コラムがその一助になれば幸いです。

まとめ

  • 資産を取り崩しながら運用する「資産のセカンドライフ」においても、現状基本的な「長期運用」と「分散投資」を意識した運用ができていれば、新たに何か特別なことをするというよりも、今の運用を継続することが非常に重要です。
  • 同時に、超長寿社会の日本において、資産管理をしていく上で、今から自分自身の今後の「資産のセカンドライフ」について少しずつ考え始めることも大切です。

〈当資料に関するご留意事項〉

  • 当資料は、投資環境や投資に関する一般的事項についてお伝えすることを目的にりそなアセットマネジメント株式会社が作成した情報提供資料です。
  • 当資料は、投資勧誘に使用することを想定して作成したものではありません。
  • 当資料は、当社が信頼できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
  • 運用実績および市場環境の分析等の記載内容は過去の実績および将来の予測であり、将来の運用成果および市場環境等を示唆・保証するものではありません。
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