スマホ用ページはこちら

2021.06.11 Market Eye

ECB理事会(6月10日)の注目点

ECBは資産購入ペース維持、短期経済見通しは上方修正

  • ECBは今四半期のPEPP購入の加速ペースを来四半期も維持する方針
  • ECBは景気回復を評価、成長リスクを「下向き」から「概ね均衡」 へ18年12月以来の変更
  • 物価について、「ユーロ圏経済の物価上昇圧力は中期的には依然として弱い」との見方示す

1.資産購入は「年初に比べかなり早いペース」を継続する方針

●ECB*理事会 声明文:現行金融緩和策を維持。

  1. 1.量的緩和政策: PEPP*購入枠を1.85兆ユーロとし、少なくとも22年3月まで、或いはコロナ危機が収束と判断されるまで購入する方針を維持。金融環境とインフレ見通しの評価の組み合わせに基づき、来四半期は年初数カ月よりかなり速いペースの購入を想定。
  2. 2.政策金利: 2%弱の物価目標にしっかりと見通しが収斂していくまで現行、或いは、それ以下に政策金利を据え置くとするフォワードガイダンスを維持。

●ラガルドECB総裁記者会見:欧州経済の成長リスクは「概ね均衡」

  1. 1.金融環境:「最近の金融情勢は概ね安定」
  2. 2.量的緩和政策:「PEPP終了議論時期PEPP購入のペースを巡り、幾つかの異なる意見があった」「購入規模縮小の議論は「そのうち」始まるが、現時点では時期尚早」「季節性も含め市場環境に応じた購入を進めていく」
  3. 3.経済見通し:ワクチン普及進展による都市封鎖措置緩和を評価し成長見通しを引き上げ(21年:+4.6%(3月公表:+4.0%) 22年:+4.7%(同:+4.1%) 23年:+2.1%(同:+2.1%)。

2.中期的な物価・経済見通しについては慎重な見方を維持

●インフレ率予想:ECBは見通し上方修正も、基調判断は変えず

ECBは、足許のワクチン普及加速等を評価し、成長・インフレ率見通しを上方修正しました。ただ、足許のインフレ率の上振れを前年の落ち込みの反動、及び、エネルギー価格上昇など特定項目による一時的上昇との見方を崩していません。今回発表された最新見通しでは21/22年の物価見通しを上方修正する一方、23年の物価見通しは+1.4%に据え置きました。ラガルドECB総裁は賃金回復の鈍さなど労働市場の改善余地を指摘しています。

●景気回復に万全を期して、ECBは金融環境の安定維持を目指す

ECBが5月に発表した「金融安定報告」では住宅価格の高騰が指摘されており、「資産インフレ」の警戒などから今回の理事会ではPEPP購入ペースが縮小される(≒ECB版テーパリング)との見方がありました。ラガルドECB総裁は、量的緩和縮小の議論開始を「Premature(時期尚早)」であるとの見方を維持し、金融面から景気支援を継続する必要性を改めて強調しました。

他方、財政面では、欧州復興基金の共同債券発行に必要な独自財源について、全27加盟国による批准が5月31日に完了し、復興基金の本格稼働が見込まれています。

今回の理事会決定を受け、ECBの大規模な金融緩和策と財政の一体的支援がユーロ圏経済の回復に寄与するとの見通しは、現時点では引き続きマーケットに支持されやすいものと考えます。

  1. 本文、図中の*については、以下の<用語説明>をご覧ください。
  2. 本資料の使用に際し、以下の<本資料に関するご留意事項>を必ずご覧ください。

運用戦略部 投資戦略グループ 岸 平祐

〈用語説明〉

  1. *ECB:欧州中央銀行(European Central Bank)。ECB理事会がECBの最高意思決定機関に該当する。
  2. *PEPP:パンデミック緊急購入プログラム(Pandemic Emergency Purchase Programme)。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて導入された、ECBの金融政策のひとつ。
  3. *HICP:調和消費者物価指数(Harmonised Index of Consumer Prices)。欧州連合統計局がユーロ加盟国の消費物価指数をまとめた数値。

〈本資料に関するご留意事項〉
■本資料は、りそなアセットマネジメント株式会社が投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、投資家に対する投資勧誘を目的とするものではありません。■本資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向の上昇または下落を示唆するものではありません。■本資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、りそなアセットマネジメントが設定・運用する各ファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。なお、掲載されている見解は本資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。また、事前の連絡なしに変更されることがあります。■投資信託は、値動きのある資産を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元本を割り込むことがあります。■投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします最新の「投資信託説明書(交付目論見書)」および一体としてお渡しする「目論見書補完書面」を必ずご確認のうえご自身でご判断ください。