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2021.11.04 Market Eye

FOMC(11月2・3日)の注目点

11月後半からのテーパリング決定、インフレは依然「一時的」

  • 資産買い入れ : 現行の1200億ドル/月の規模を今月後半から150億ドルずつ減額へ
  • 政策金利 : 完全雇用・基調的な2%インフレの達成には距離、利上げ判断はまだ先と示唆
  • 物価見通し : 『上振れは一時的』を維持も声明文の表現は慎重化、「リスクは上方向に偏る」

1.今月後半からのテーパリング開始決定、来年半ばに終了へ 物価見通しの表現はやや慎重に

【FOMC*声明文、参加者見通しとパウエルFRB*議長記者会見の注目点】

●テーパリング(資産買い入れ縮小) : 今月後半から着手

声明文では、物価・雇用目標達成に向けた『顕著な進展が見られた』とし、今月後半からテーパリングを開始すると記載されました。現在の1200億ドル/月(国債800億ドル、MBS*400億ドル)の買い入れ額が、今後は毎月150億ドル(国債100億ドル、MBS50億ドル)ずつ減額するとされ、減額ペース見直しがなければ来年6月に買い入れ額はゼロとなります(図表1をご覧ください)。声明文では、減額ペースが適切か毎月点検するとされ、経済・金融環境の状況に応じて対応する余地が残されました。

●物価見通し : 物価上振れは『一時的』も、表現はやや慎重に

FRBは、足元の物価指標上振れは引き続き『一時的』との見方を維持しました。他方、声明文の記述を『上振れに影響している要因の多くは一時的と想定される(Expected)』に変更。従来の『主に一時的要因を反映』と比べ、上振れリスクに対し慎重な表現となりました。パウエル議長も、記者会見で「インフレ見通しのリスクは上振れ方向に偏る」としました。

●政策金利 : 利上げ判断には距離があるとの姿勢を維持

声明文では引き続き、物価・雇用目標達成まではゼロ金利政策を維持するとされ、パウエル議長は記者会見で「テーパリング開始は利上げ開始に関するシグナルではない」と発言。利上げを急がない姿勢を示しました。

2.FRBに対する信認維持が長期のインフレ期待抑制のカギを握る

記者会見では、完全雇用達成と物価安定の2大目標の両立の可否についての質問が相次ぎました。パウエル議長は足元の物価指標上振れは一時的であるとする一方、雇用回復はより時間がかかり、これらの問題は時間軸が異なると説明しました。来年前半にはインフレ上振れが収まるとの見通しを示し、完全雇用達成のために利上げを急がず、「忍耐強くあるべき」と発言。「FRBはビハインド・ザ・カーブ(インフレ対応が後手に回っている状態)ではない」と強調しました。

他方、金融市場ではインフレ指標の高止まりから、2022年には2回程度の利上げを織り込む一方、長期の政策金利見通しは横ばい基調となっています。市場は、インフレ抑制のためFRBが早期利上げに動く結果、成長が抑制され利上げの最終地点が低位に留まるとのシナリオを織り込んでいると考えられます。米国10年国債利回りはこの政策金利見通しをもとに、1.6%近辺の低位で推移しており、株式市場の高値更新を後押しする形となっています。

この先注意すべき展開は、FRBに対する市場の信認が揺らぎ、急速な利上げが必要になるとの織り込みが進む場合と考えられます。その事態を避けるためには、FRBは一定程度タカ派的姿勢を示し、長期のインフレ期待を抑制する必要があります。他方、包摂的な最大雇用達成に向けては、緩和的な金融政策が続くとの見通しを市場に織り込ませる必要があります。市場との対話政策が極めて重要になっており、パウエルFRB議長の任期が来年2月に迫る中、バイデン米大統領による次期FRB議長指命においても、この点は十分考慮されるものと考えます。

  1. 本文、図中の*については、以下の<用語説明>をご覧ください。
  2. 当資料の使用に際し、以下の<当資料に関するご留意事項>を必ずご覧ください。

運用戦略部 投資戦略グループ 岩井 真子

〈用語説明〉

  1. *FOMC … 連邦公開市場委員会( Federal Open Market Committee )。金融政策決定会合にあたる。
  2. *FRB … 連邦準備制度理事会( Federal Reserve Board )。米国の中央銀行にあたる。
  3. *MBS … 不動産ローン担保証券( Mortgage Backed Securities )。不動産ローンを裏付けとして発行される金融商品。

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