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中小型株投資(第2回)

私達のファンドは日本の中小型株に投資しています。中小型というとあまり聞いたことない企業ばかりで、しかも地味で何をやっているのかよくわからない、というイメージを持たれるかもしれませんが、およそ世の中にあるすべての企業はもともと中小企業です。世界のソニーでも、つい数十年前は町工場の零細企業でした。かの三菱財閥だって江戸末期のベンチャー企業です。時代の大きなうねりの中で、うまく時流をつかみ成長し、やがて世の中を変えていく企業が必ず生まれてきます。そんなダイナミズムを実感できるのが中小型株投資の醍醐味です。そんな金の卵を萌芽期から見出し、寄り添い、ファンドとともに一緒に成長していくことができたら最高にエキサイティングだと思いませんか。

では、どのような中小型株に投資しているのかというと、それは「社会構造の変化に則した需要拡大」を取り込める企業です。そもそも企業の売り上げは需要と供給がマッチングした時に初めて生まれますが、なかでも私達は需要サイドをより重要だと考えます。なぜなら需要がないところへ供給を増やしても売り上げは立ちませんし、仕舞いには在庫がだぶついて企業業績は悪化します。そのアンバランスが行きつくところまで行きついたものがバブル経済です(テクノロジーの進化に伴い創出される需要も潜在的には存在する需要の顕在化と理解しています)。

次にどのような需要なのかというと「社会構造の変化に則した」ものが望ましいと考えます。例えば、少子高齢化は典型的な構造変化です。今年生まれた子供の数から計算すると50年後、50歳の日本人の人口はほぼ確実に予想できます。するとどのような需要が存在し、何が足りなくて、どのような準備をしなければならないのかということも予想できます。こうした予測可能な需要にミートする商品を供給できる企業は、数年単位で繰り返す景気サイクルとは別の次元で、安定的な且つ長期的な成長を実現する可能性が高いと考えます。

そうした銘柄中心に投資している当ファンドのリターンは長期にわたり安定的に推移する可能性も高まると思います。私達は長期的な成長を期待している企業に投資しているので短期的に景気サイクルが後退し株価が下落すれば、長期的なポテンシャルに対し魅力度が高まっていると考えむしろ買いに行きますので、その後の景気回復期ではより大きな戻りを期待できるのです。

りそなアセットマネジメント株式会社
株式運用部
チーフ・ファンドマネージャー
井浦 広樹(いうら ひろき)