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金融経済教育レポート Vol.2
手話通訳による資産運用セミナーを実施

2025年6月13日

未来資産形成ラボでは、2025年2月2日(日)に埼玉県東松山市聴覚障害者会主催による「令和6年度 第36回聴覚障害者のための社会教養講座」において、「人生100年時代に備える方法 ~長期+資産・時間分散投資のススメ~」と題して資産運用セミナーを実施いたしました。当日は朝からの厳しい冷え込みにもかかわらず、約30名のお客さまにご参加いただきました。

資産運用セミナーで近年物価が上昇している具体的な例を紹介する写真

手話で伝えた資産運用の必要性

まずは、当日のセミナーの内容をご紹介します。

〇 主な内容

  • 各ライフイベントでかかる費用例と資産運用の必要性
  • ゴールをイメージしたお金の準備例
  • リスクとリターンの関係
  • 「資産分散・つみたて・長期投資でリスク分散」
  • NISAやiDeCoの有効活用

今回のセミナーは東松山手話サークルの皆さまにご協力いただき、講演内容を、手話同時通訳を介してご参加いただいたお客さまに伝えて頂きました。このような運営方法で講演を行うことは初めてであり、当ラボにとっても非常に貴重な経験となりました。

受講者には、各ライフイベントでかかる具体的な費用例をお示ししながら、近年平均寿命が伸びていることや物価上昇が忍び寄る中で、将来のお金を準備する有効な対策の一つとして資産運用の必要性を解説しました。また資産運用を始める際には、あらかじめその「目標(ゴール)」をイメージしてスタートすることが大切であること、そして資産運用を行ううえでの基礎知識として「リスクとリターンの関係」、リスクと上手く付き合っていくための方法として「資産分散・つみたて・長期投資」を実践することが重要であることを丁寧にお話ししました。講演の最後では、NISAやiDeCoといった税制優遇制度をうまく活用してほしいとお伝えしました。

なお、講演の中で特に受講者の皆さんの反応が良かったのは、次のような点でした。

  • 「72の法則」…金利が低い日本では、今の定期預金金利で計算すると資産が2倍になるには576年もかかってしまいます。
  • 「複利は人類最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」…著名な物理学者アインシュタインの名言として知られています。
  • 「65歳時点(25年後)に1,000万円」を目指し40歳から毎月3万円の積み立てを始めた場合、どのくらいの利回りで運用出来たらその目標(ゴール)に到達できるのでしょうか。
    (ちなみに答えは年率2%程度です。)
資産運用セミナーでインフレと現金の価値の目減りについて説明する写真

講師の感じたこと

実際に資産運用をしておられる方はまだ少数派だったようですが、その分たいへん熱心にご参加頂けたようでした。セミナー終了後には、金融取引についての相続に関する質問も出るなど、いわゆる「おカネ」全般についての皆さんの関心や疑問が思っていた以上に多いことは少し驚きでした。お客さまに対して私たち金融機関グループが果たさなくてはならないことはまだまだたくさんあると感じましたし、その分期待も大きいのではないかと思いました。

講演終了時に「拍手」(手話では両手を挙げ、ひらひらとさせて表現します)を頂いた際には、私もにわか覚えの「ありがとうございます」(片手の親指と人差し指とで眉間を軽くつまみ、その手を垂直に立てて少し前に出します)とお応えしたのですが、その時の皆さんのはじけるような明るい笑顔は今でも忘れることができません。

<手話で「ありがとう」>

手話でありがとうと伝えるイラスト画像

今回のセミナーを通して、改めて資産運用の必要性や具体的方法をより多くの方にお伝えしていくことの大切さを痛感しました。このような機会を与えて下さった東松山市聴覚障害者会の酒井健夫会長さま始め、ご協力頂いた東松山手話サークルの皆さま、ならびにご関係者の方々にこの場をお借りして改めて深く御礼申し上げます。