金融経済教育レポート Vol.4
北野高校で出張授業を実施
2025年9月5日
未来資産形成ラボでは、2025年2月5日に大阪府立北野高等学校(以下、「北野高校」)の希望者37名を対象に、出張授業を実施しました。
大阪府では、「豊かな感性と幅広い教養を身に付けた、社会に貢献する志を持つ、知識基盤社会をリードする人材を育成する。」ことを目的に、府立高等学校の特色づくりの一環として、10校を「グローバルリーダーズハイスクール」として指定しています(出所:大阪府HP)が、北野高校はその中の1校であり、1873年に創立され今年で152年目を迎える伝統ある高校です。
今回私たちにとって同校への出張授業は初めてということもあり、事前に公共科目ご担当の黒田先生とも授業内容についてのディスカッションを何度か重ねたのですが、ポートフォリオ作成のシミュレーションを通じて投資のリターンとリスクの関係を深く学んでもらおうという観点から、テーマ(本授業のゴール)を「未来の投資家たちへ!ポートフォリオ作成で資産運用の極意をマスターしよう!」としました。本レポートでは、その出張授業の様子をお伝えいたします。
出張授業の内容
授業の主な内容は、以下の通りでした。
- ポートフォリオって何??
- 投資のリターンとリスクを詳しく学ぼう
- (グループワーク)ポートフォリオを考えてみよう
- 複利の効果を知ろう
リスクについては、学校で習っている「標準偏差」が実は資産運用を理解する大きなカギになっていると話したのですが、少し驚きの表情を見せる生徒さんもいらっしゃいました。また株価の値動きの紹介の際に具体的な企業を例に挙げたところ、身近な企業の登場に興味津々といった生徒さんが多かったのが印象的でした。
今回の授業では、出来るだけ生徒さんたちに考えてもらう時間を作りたいとの私たちの想いもあり、授業時間の半分以上をグループワークに費やしました。「あなたは現金100万円を持っています。100万円をもとに、10年後に200万円になるようなポートフォリオを作成してみましょう。」というテーマで取り組んでもらい、各グループからは試行錯誤の末に様々なポートフォリオ・シミュレーションの結果が出てきましたが、生徒の皆さんにとっては知的好奇心をくすぐられる楽しいワークとなったようです。

尽きない質問の数々
今回の出張授業で特徴的だったことは、授業終了後の質問が大変活発であった点です。
その一部をご紹介します。
- USスチールの買収に米国政府が関与しているが、他国でもこのような事例は一般的なのか?
- 金投資は中国で過熱しているが、熱が冷めたら金価格は暴落するのではないか?
- ウォーレン・バフェットはどのようにして銘柄を選ぶのか?
- 日本株は為替の影響で上昇した面があるが、今後円高が進行すれば外国人投資家は売りに回るのではないか?
いかがでしょうか。講師も予想していなかったレベルの高い内容の質問が次々と飛び出し、質問タイムは20分ほど続きました。改めて、北野高校の生徒さんたちの金融や経済に関する関心の高さには驚かされました。

(授業終了後は、さながら「囲み取材」を受けているようでした…)
講師の感想と生徒さんたちの声
今回の出張授業を通じて、生徒の皆さんが社会や経済に対して非常に高い関心を持っていること、普段からスマホなどでキャッチしているニュースや学校で受けている授業内容といった「点」になっている様々な情報を、「線」で繋ごうとする姿勢が強く印象に残りました。
授業後のアンケートでは、生徒さんたちから以下のような声を頂いています。
- 標準偏差を活用する方法を知れた。
- 実際にポートフォリオを作ってみて、将来投資したいと思った。
- 銀行や運用会社の仕事内容について学んでみたい。
- 次は起業について話をしてほしい。
「校長ブログ」
最後に、北野高校の浅田充彦校長先生による「校長ブログ」をご紹介して、本レポートのまとめとさせて頂きます。このブログは、浅田校長先生自ら本授業に足を運んで下さり、ご自身の感想を添えて早速当日同校HPへ掲載して頂いたものです。
<北野高校の浅田校長先生による「校長ブログ」(2025年2月5日付け)>

「放課後に視聴覚教室で希望者を対象に『金融セミナー』を行いました。クロームブックを使っての標準偏差の計算などもあったりで、とてもアクティブに学べるセミナーでした。」
(北野高校HPより一部抜粋)
今回の出張授業の機会を作ってくださった浅田校長先生、黒田先生には改めて心より感謝申し上げます。また北野高校の生徒の皆さんとお会いできる日を、未来資産形成ラボ一同楽しみにしています!