金融経済教育レポート Vol.5
三国丘高校で出張授業を実施
2025年10月6日
未来資産形成ラボでは、2025年7月8日と9日の2日間にわたり、大阪府立三国丘高等学校(以下「三国丘高校」)の高校3年生・3クラスに向けて出張授業を実施しました。2022年から学習指導要領に金融経済教育が加わり、学校で資産形成や投資についてより詳しく学べるようになりました。そのような状況の中で、私たちが出張授業を行う理由は、教科書だけでは学べない実務に基づいた知識を伝えることで、将来の資産形成や投資が社会へもたらす効果等をよりリアルに感じてもらいたいと考えているからです。
授業の準備段階では、政治・経済を担当されている大塚先生と打ち合わせを行いました。お打ち合わせの中で、授業の一コマということを考慮して、「マイナス金利」「資産運用の必要性」「財務分析」というテーマを取り上げてほしいとのご要望をいただきました。これまでの出張授業では、ポートフォリオ作成のシミュレーションのワークを中心に行ってきました。今回はご要望も踏まえ、新たな切り口として企業分析や財務分析を取り入れたワークを行いました。本レポートでは、その授業の様子や生徒の反応をご紹介します。

出張授業の内容
授業の主な内容は、以下の通りでした。
- マイナス金利と銀行の関係
- 投資が社会へもたらす効果
- 金融商品のリターンとリスクの話
- (グループワーク)あなたはどちらの企業に投資する?
特に「マイナス金利と銀行の関係」については、りそな銀行の大阪公務部とも協働し、実際の銀行業務の変化や、金利環境の変動が金融機関に与える影響を対話形式で解説しました。生徒からは「マイナス金利などの用語の説明も実際の銀行の方から話を聞けて良かった」「マイナス金利などの仕組みがいままでピンと来ていなかったが今日で少しつかめた気がする」などの声が寄せられ、難しいと感じていた経済を少しでも身近に感じていただけたのではないでしょうか。
またグループワークでは、飲食業界の2社を例に、財務指標や企業理念、非財務情報を比較し、どちらに投資するかを議論していただきました。生徒たちは、売上や自己資本比率といった数字だけでなく、企業の社会的取り組みやブランド力にも注目し、活発に意見交換を行っていました。最終的にどちらの企業にするか悩むグループもありましたが、重視するポイントを明確にし、投資先を絞っていただきました。グループワークの発表では、「少子高齢化を見据え、多角化しているA社を選ぶ」「自己資本比率が高く、経営の安定性があるB社を選ぶ」など、どちらも説得力のある意見が述べられており、投資判断の奥深さや面白さを体感してもらえたと思います。

アンケート結果と生徒の声
授業後に実施したアンケートでは、「今日の授業の内容は、分かりやすかったですか?」という問いに、9割以上の生徒が「分かりやすかった」と回答しました。また、「金融や経済に以前より興味を持った」という声も多く、金融教育の重要性を改めて感じました。
さらに、「投資に役立つ情報が得られた」「投資信託の仕組みを初めて知り、利用してみたい」といった感想もあり、資産運用への関心を高めるきっかけになったと考えています。高校3年生ということを考えると、あと1年ほどで実際に投資を始めることができます。投資を始める前から、こうした前向きな考えを持っていただき、私たちとしても今後の活動への大きな励みとなりました。
校長ブログの紹介
今回の授業は、三国丘高校の校長ブログでも紹介頂いております。ぜひそちらもご覧ください。また授業開催に向けて、大塚先生をはじめ多くの先生方にご尽力いただきました。改めて貴重な機会をいただきありがとうございました。今後もより多くの生徒に金融教育の機会を届けていきたいと考えています。
三国丘高校 校長ブログ |
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