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ファンド<ニホンノミライ>の仕組み

今回は、少しテクニカルな話になりますが、ファンドの具体的な運営の部分について少し述べたいと思います。私達のファンドにとって一番大切なものは「社会構造の変化に則した需要拡大」を取り込める企業に投資することですが、仮説を立てたあと、それぞれの企業が実際にその恩恵を享受することができるか検証するために各企業へチーム3名でそれぞれに取材に行きます。仮説の検証に加え、その商品がお客様や世の中にどのような付加価値を提供しているのか。そしてどのようにその商品が開発され、どのような材料を使って作られ、販売されているのか。この会社は競争力があるのか、ないのか。競合はどのような商品を作って対抗しようとしているのか。会社はお客様に対しどのよう気持ちでアプローチをしているのか、従業員に対して、株主に対して等々。様々な角度からリサーチをします。それをチーム3名でディスカッションして、ファンドコンセプトに合っているかどうか、組み入れることができる企業なのか、時間をかけて話し合います。ただ、いい銘柄だといってすぐに組み入れることはしません。ポートフォリオに入れるためには2つの厳しいルールを設けています。一つは価格(バリュエーション)が安いこと。もしくはビジネスモデルなど業績の安定性が高く、バリュエーションが変わらなくとも企業が成長した分だけ株価が上昇する可能性が高いこと。このどちらかの要件を満たしていることが組入れるための必要条件と考えます。なぜなら、株式市場という弱肉強食の世界でお客様の大切な資金をお預かりして有効に活用し、リターンを還元するために重要なプロセスだからです。

株式市場には様々な種類の市場参加者がそれぞれの立場、考え方のもと日々熾烈な争いを繰り広げています。基本的にはそれぞれの立場から正しいと信じる投資を行っているのですが、私達と違う考え方のプレイヤーが多数派となれば価格は私達の目線とはズレた方向へ動いてしまいます。よく、株式は美人投票だといわれるゆえんです。本当にいい会社の株価が上がるのではなくて、みんながいいと思う会社の株価が上がる、いわば多数決の論理だということです。

例えば、景気後退局面入りして一年後には景気はこれくらい冷え込んでしまうだろう、そうするとX社の需要はこれくらい減ってしまうので、減益となってしまう。そういう前提で見ると今の株価は▲30%下がる必要があるので今のうちに売却しよう。多くの市場参加者がそう考え、売却すると株価は本当に▲30%下落するまで下がることになります。

一方で、私達はX社を社会構造の変化に乗っていて5年先の業績から逆算した今の株価はむしろ+50%アップサイドがあると考えるとします。仮に5年先に私たちの計算通り業績拡大し、株価が+50%上がるとしても、多くの市場参加者が1年後の利益は▲30%と思えば私たちのパフォーマンスは一時的に▲30%となるのです。1年先を見ている市場参加者も5年先を見ている私達も、5年後に検証してみると両方の言い分は共に正解だったということは往々にしてあるのです。そういう意味では市場というのは実に精巧にできた人類の集合知であり、とても優れた数字ではある一方、それぞれの立場から見ると違った景色に見えるので不思議です。話を戻しますが、そうした移ろいやすいのが相場の本質だとすると、その揺らぎとうまく付き合っていく必要があります。上記の例でいえば私たちが唯一信じているのは5年後のA社の企業価値は+50%であるということ。なぜなら当ファンドの哲学である「社会構造の変化に則した需要拡大」というものは私達の信念であり、絶対に揺るがないもの。嵐の航海の中で進むべき道と信じる灯台の光だからです(これが無くなったら難破して沈みます)。だからこそ、その時々で株価がどう動くかわからないという前提で考えると、銘柄を組入れる時には厳格なルールを設定し余計なリスクは排除しようと努めています。繰り返しになりますが、①株価水準(バリュエーション面からこれ以上下がらないだろうという株価)、②ビジネスモデル(どのような事業環境になっても長期に安定して成長する可能性が高い)、ファンドのパフォーマンスを守るためこの二つを大切にしています。

ただ、それだけでは魅力的な商品・魅力的なファンドとは言えません。およそ世の中にある全てのもののリスクとリターンはトレードオフ(逆相関)の関係にあります。リスクをただひたすら削っていては大きなリターンを得ることは普通できません。つまり、取るリスクと取らないリスクを明確に意識し、余計なリスクは取らないということ、そして残った余力で大きなリターンを取りに行くということです。

では何にベットする(賭ける)のかというと、200ある成長ストーリーの中でもとりわけ魅力的な構造変化ストーリーを有している企業、またはとても素晴らしい社長が率いているプレミアム企業です(詳細は2019.11.01更新の経営者<第3回>をご参照ください)。ここに集中して投資することで、世の中に対するインパクト、ファンドリターンに対するインパクトを出そうというのが私達の狙いです。

りそなアセットマネジメント株式会社
株式運用部
チーフ・ファンドマネージャー
井浦 広樹(いうら ひろき)