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SDGs(第6回)

SDGsという言葉をご存知でしょうか。正式にはSustainable Development Goalsの略でエス・ディー・ジーズと読みます。2015年の国連サミットで採択されたもので、持続可能な世界を実現(誰一人取り残されない、世界の変革)するために17の大きな目標(1.貧困をなくそう、2.飢餓をゼロに、3.すべての人に健康と福祉を、… 15.陸の豊かさも守ろう、16.平和と公正をすべての人に、17.パートナーシップで目標を達成しよう、等と設定されており大きく分けると経済面、社会面、環境面からのアプローチとなっています)と169の具体的なターゲットを設定し、2030年までに達成しようというものです。日本も2018年にSDGsモデルを作成し、先日アクションプランが公表されました。

SDGsの特徴はまず目標ありきだということです。これまでもよりよい世界づくりのための枠組みは存在しましたが、京都議定書のように温室効果ガスを削減するという規制を設けても各国の利害が対立し、なかなか実行されなかったという実情があります。であるならば、理想としてのゴールをまず設定し、そこから逆算して何をするべきかを国、自治体、企業がそれぞれ手段に落とし込んで取り込んで取組み、時系列に沿って進捗をチェックしていこうというのが今回の動きです。理想と現実のギャップというのはどこにでも存在しますが、理想なき前進というのもなかなか難しいものです。「人間が想像できることは人間が必ず実現できる」とフランスの作家ジュール・ヴェルヌが言ったと言われていますが、異常気象が頻発し、国際情勢が不透明感を増しているこんな時代だからこそ、理想を掲げて、まずは動いてみる、大事なことだと思います。

私たちのファンドもこの考えに賛同し推進していこうと考えております。何もファッションとして取り入れようというのではなくて、その考えが当ファンドと非常に親和性が高いと考えるからです。私達のファンドの付加価値の源泉は繰り返し説明してきました通り「社会構造の変化」に則した需要拡大です。社会的構造変化は言い換えると、社会課題とも言えますし、世の中を変えていきたいという人々の欲求・願望であるとも言えます。SDGsで掲げている持続的な社会の実現とは世界の人々の願いそのものであり、社会のニーズです。「環境破壊を止めて子供たちが持続的に生活できる世界を未来に残そう」、「誰もが安全な飲み水とトイレを使える世界を実現しよう」等という人々の考えや行動が集まって大きなうねりとなれば、それこそが社会構造の変化に則した需要の成長です。私達が20年前から作りこんできた社会構造変化の一覧表の中には、環境・エネルギー・社会インフラの整備・教育・健康・福祉・人々の価値観・技術革新といったSDGsが掲げるターゲットと同じワードが数多くみられます。つまり、私達のコンセプト自体がSDGsを内包していると言っても差支えないと思います。しかも、SDGsという言葉が生まれる遥か以前、20年も前から粛々と行ってきた実績と経験と深みは一朝一夕には実現しないものと自負しております。SDGsという社会的な活動はようやく産声を上げ、歩き始めたばかりですが、この活動の一助となれるよう、そして少しでも世の中がよくなり、世界中の人々が持続的に幸せな生活を送れるよう努力していきたいと思っています。

りそなアセットマネジメント株式会社
株式運用部
チーフ・ファンドマネージャー
井浦 広樹(いうら ひろき)