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やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金

第1回 ヘンな専門用語はやめてね

最近テレビでお金に関する番組が増えていませんか?

そうなんだ。テレビだけでなくネットではもっと増えているんだ。特に若者の関心が高く、ツイッターやユーチューブでは大いに盛り上がっているよ。

何か理由があるのでしょうか?

最近の若者は義務教育でお金の基礎について学んでいるんだ。今年から高校では投資を含むもう少し深入りしたマネー教育が始まるよ。若者こそが老後2千万円問題で自分の老後のマネープランに本気で関心を持って、積み立てや投資などを実際に始めているんだ。

お金や投資って苦手です・・・。専門用語が多くて良く分からないですし。

確かに専門用語は多いよね。また、どうも日本にはお金に関する独特の見方と慣行があるんだ。武士は食わねど高楊枝、悪銭身に付かず、金と塵(ちり)は積もるほど汚い、など古くからの諺(ことわざ)にも表れていると思うんだ。

ワタシもお金や経済について、このコラムで学んでいきたいと思います。

はじめまして、りそなアセットマネジメントの黒瀬と申します。このコラムでは、あまり難しい言葉を使わずにお金や経済についてわかりやすく解説していきたいと思いますので、これからお付き合いよろしくお願いいたします。

近年の学校教育の中身は昔と比べると大きく変わっています。ITのためのプログラミング、社会の多様性や地球環境保護のため国連が定めた持続可能な開発目標、通称SDGsの重要性などは良く知られています。大きく変わった背景は、一言でいうと世の中が変わったことです。新しい世の中に対応する新しい知識が必要なのは子供だけではありません。人生100年時代、社会人になっても学び続ける社会人教育も重視されています。

教育の現場では金融教育も大きく変わりました。かつては学校でお金に関する知識を教えるなど、もっての外でした。学校は知識吸収ではなく人間形成の場であり、人間形成に金銭欲は有害だという道徳観が根底にあったように思います。

日本人の特性としてお金と経済に関する知識に弱いことがあげられます。原因はいくつか考えられます。お金に関する日本の諺からは、文化的にお金を忌避する傾向のあることがうかがわれます。金融や経済について学ぼうとすると、アルファベットやカタカナの外来語、語感が湧かない専門用語のオンパレードで直観では分かりにくいのは事実でしょう。金融経済の専門家の話を聞くと、ヘンな専門用語で煙に巻かれた気になる人も多いようです。

しかし、時代が変わって子供たちの学びが変わったように、大人もお金と経済について学ぶ必要性に迫られているのが現実だと思います。専門用語を使わない語感にピンとくる言葉でお金と経済について学びたいものですね。

(埼玉新聞 2022年4月12日掲載)

チーフ・エコノミスト/チーフ・ストラテジスト 
黒瀬 浩一

黒瀬浩一

1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からはNewsPicksプロピッカーとして「THE UPDATE」などに出演中。

(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)

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(経歴)

  • ―1987年 慶応義塾大学 商学部を卒業後、大和銀行(現りそな銀行)に入行
  • ―1990年 ダイワ・オーバーシーズ・ファイナンス(香港)を皮切りに一貫して証券投資業務に従事
  • ―1996年 公益財団法人国際金融情報センターで米国担当シニアエコノミストに従事
  • ―1999年 信託財産運用部(現りそなアセットマネジメント株式会社)にて、一貫してエコノミスト、ストラテジスト業務に従事

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