1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金
夏休みに金融経済の勉強をしました。
どこでどんな勉強をしたのかな。
りそなグループがユーチューブで発信している動画を見て勉強したのですが、結婚、出産、マイホーム、老後など長い人生を生きるにはお金が大切で、特に長期の計画性が大事だということが良く分かりました。
えらいねぇ。
30年先を見据えて経済成長の高い国に投資したいなと思っています。
話が飛躍したね。でも投資は、老後資金の確保など長い人生の資金計画として重要だからね。
お金の大切さが分かると投資の勉強もやる気になります。
近年は教育現場では、金融経済が重視されるようになっています。伝統的に日本では、教育は人格形成と学問の真実の追及の場であり、ハウツーを教える場ではないという認識がありました。しかし、生徒の側には、実生活で役立つ情報が欲しいというニーズはありました。そこで学校側が工夫して、総合学習で実践的なアルバイトの法務などを教える例が出始めました。すると授業中に眠そうにしていた生徒が自分事と捉え目の色を変えて学習に取り組む事例が出始めたのです。こうした流れもあり実生活で役立つ金融経済に関する教育が全国規模で始まっています。
一部の大学は、全新入生に対し、人生、お金、そして仕事を総合的に考えるライフ・キャリア教育を必須科目にしています。ビジネス界では、自社が提供したい物を製造販売することをプロダクト・アウトと呼びます。一方、お客さまが欲しがる物を創意工夫して製造販売することをマーケット・インと呼びます。教育の場で金融経済が重視されるようになったことは、発想がプロダクト・アウトからマーケット・インへと変化しつつあることだと思います。ただ諸外国では、習いたい授業を子どもが自らの意志で選択するのは当たり前の慣行です。日本では伝統的にお金もうけをさげすむ風潮があります。しかし、今の教育界で起こりつつある変化は、日本人とお金の付き合い方が大きな転換期に来ていることをうかがわせます。
金融庁も金融経済に関する教育に力を入れています。無料で入手できる小学生向けの「うんこお金ドリル」は大変な人気で、注文が殺到して6月には受け付けが一時停止されたほどでした。金融庁は大人向けの投資教育にも力を入れています。岸田政権は「資産所得倍増計画」を打ち出しました。大人も子どもに負けないよう金融経済の勉強をしたいものですね。
(埼玉新聞 2022年8月15日掲載)
1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
(略歴)
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