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りそなローカルインパクト投資への道 第2回
ローカルインパクトファンド運用者の思い

2020年初から本格化したコロナ禍は、3年という長い期間にわたり私たちの生活に多大な影響を及ぼし続けました。そのようなコロナ禍の真っただ中である2021年に、日本社会を取り巻く社会課題の解決を目指し、日本株式インパクト投資ファンド(通称:りそなローカルインパクトファンド)の運用を開始しました。

当ファンドでは、日本社会の持続可能性を脅かす社会課題として10の課題領域を掲げているのですが、スタートの時点で既にそれぞれが待ったなしの状況でした。そしてそれらの課題は、長引くコロナ禍においても進行が止まることなく、むしろより深刻化し、大きな社会課題として私たちの前に立ちふさがっています。

日本の社会課題

インパクトレポート2022年11月版,7ページより引用

顕在化する社会課題

様々な課題の中核に存在する少子化は一段と進み、2022年の出生数は77万人と、コロナ前の2019年と比べて9万人も減少しています。

街がロックダウン状態になるなかでも、私たちの生活に欠かせないサービスを提供し続けてくれたエッセンシャルワーカーの方々が働く現場では、人手不足・担い手不足により負担の増大を強いられ続けています。

命を脅かすような異常気象や地震も毎年のように発生し、各地に深刻な被害をもたらしています。

コロナ禍からの正常化が進みつつあるいま、こうした課題と改めて向き合わなければならない時がきている、と私は強く感じています。

コロナ禍でも生まれ育まれた希望

一方で、この3年間の変化は暗く後ろ向きなことばかりではなく、私にはむしろ、明るく前向きな発見もありました。そのなかでも最も大きいのは、これだけ非日常が強いられた月日においても、子供たちが逞しく成長し続けているということです。

友達とのおしゃべりのない静かな給食の時間や、運動会や音楽会といったイベントの縮小、マスクをしたまま終えていく学生生活など、私たちの幼少期と照らし合わせて全く異なる環境で過ごす時間が、子供たちの心身にどのような影響を及ぼすのかという心配もありました。しかしながら、子供たちは彼らなりに置かれた環境から学び、楽しみを見つけ、友人たちとの輪を広げ、日々凄まじい成長を続けているのです。

マスク着用が原則不要となり、子供たちの明るい笑顔や豊かな表情を目にする機会が増えたことで、彼らは私たちの時代とは異なる人生を彼らなりに立派に歩んでいるということに気づかされます。また同時に、彼らが近い将来に社会の担い手として、様々なイノベーションを起こし、豊かな発想で未来を切り拓く原動力となってくれるのだと、強く明るい希望を感じさせてくれます。

翻って大人たちは、何かのせいにしたり、誰かのせいにしたりして、立ち止まってはいけないとも思うのです。将来世代のために、彼らが活躍するためのフィールドを整え、将来世代に対しても豊かさや幸せを継承していかなければなりません。

機関投資家として社会に貢献できること

我々は、社会に対して事業を行う事業会社ではなく、企業への投資を行う機関投資家です。その分、社会や未来をよい良い方向に変えていくことに、インパクト投資として「投資と対話」という方法のみにより貢献する、ということは、そう簡単なことではないと理解しています。そんななか、りそなローカルインパクトファンドの立ち上げから現在までの2年の間、多くの投資先企業が真剣に対話に応じてくださっていることは、私たちの活動の大きな支えとなっています。ビジネスモデルの高度化や将来に向けた戦略の明示など、あるべき未来の姿を描きながら取り組みを推し進めていただいている企業も多数あります。私たちは、企業の伴走者として間接的に関与することしかできませんが、投資家という自分たちの立場においてどのような貢献ができるのか、これからも真剣に考え模索を続けて参ります。

対話・エンゲージメントによる長期伴走

インパクトレポート2022年11月版,6ページより引用

インパクトレポートに込めた思い

私たちは2022年に初めてのインパクトレポートを発行しました。今後は、年に1度アップデートを行い、投資の成果を皆様にご報告していく予定です。インパクトレポートのなかでは、10の課題領域それぞれにおける問題認識や課題解決に向けた道筋、投資先企業の貢献や対話の内容などについて、幅広く紹介しています。インパクト投資のすそ野を広げるため、「手に取りやすく、わかりやすく」にこだわり、金融商品に馴染みのない方にとっても関心を持っていただけるように思いを込めました。ぜひ一度、ご覧いただけますと幸いです。

日本株式インパクト投資ファンド
日本株式インパクト投資ファンド

インパクトレポート2022年11月版,表紙,11ページから引用

日本株式インパクト投資ファンドのインパクトレポートはこちらからダウンロードできます。(8.05MB)

りそなアセットマネジメント株式会社
株式運用部
チーフ・ファンドマネージャー 羽生雄一郎

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りそなローカルインパクト投資への道 第2回 ローカルインパクトファンド運用者の思い

執筆者プロフィール

羽生雄一郎

りそなアセットマネジメント
株式運用部 チーフ・ファンドマネージャー:羽生雄一郎

2009年にりそな銀行へ入社。

2014年より国内株アナリストとして運用業務を担当し、運輸、建設から自動車に至るまで、幅広い産業を分析。

各企業が提供する製品・サービスに対する社会からの要請度や、企業独自の価値創出力に注目して、持続的な成長性を見極めている。

2021年より「りそなローカルインパクト」を担当。

趣味はベランダ菜園。芽が出てスクスク育ち、果実が実るに至るまでの成長力、生命力からエネルギーをもらっている。

〈当資料に関するご留意事項〉

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