1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金
もう師走ですね。
この時期に金融業界は来年の経済見通しの作成で忙しくなるんだ。
来年はもっと良い年になってほしいです。
辰(たつ)年の2024年は年回りが良くて大いに期待できると思うよ。
インフレが収まってみんなの給料が増えたらうれしいですね。
今年は共に期待外れだったからね。
…
来年の十干十二支の干支は「甲辰(きのえたつ)」です。「甲」は十干の最初で生命や物事の始まりを意味します。十二支の「辰」は陽の気の胎動が始まり、万物が振動し合って活力を伴って成長し、形が整う年だとされています。また、「辰」は十二支の中で唯一想像上の生物で権力や隆盛の象徴です。
60年前の1964年は、新幹線が開通して東京オリンピックが開催された戦後復興の象徴の年となりました。61年から始まった所得倍増計画が軌道に乗り、所得は約17%前年比で増加しました。
辰年は経済的に良い年回りであることから「戌亥(いぬい)の借金、辰巳(たつみ)で返せ」という格言があります。この格言、今回は特別な意味合いがあります。というのも、2020年からのコロナ禍により23年までは企業活動は大きく制約されました。前回の戌年は18年、亥年は19年です。辰年の24年、巳年の25年は、コロナ禍が明けて経済活動が正常化し、過去の負の遺産を整理する良い機会となる可能性が大いにあるということです。
24年(年度)について、国際機関や国内主要機関は、1.0%を中心に0.8~1.5%の安定的な実質経済成長を見込んでいます。消費者物価の伸び率はやや落ち着きを取り戻し2.1%を中心に1.6~2.5%が見込まれています。経営の課題としては、人手不足が著しいことから、省力化、値上げと賃上げ、の巧拙で明暗が分かれそうです。
国際環境で顕著なのは日本の地政学的な優位性です。24年11月に実施される米国大統領選挙ではトランプ大統領が返り咲く可能性があります。台湾や米国の半導体企業が相次いで日本で大規模な設備投資を開始しました。中東や東欧で戦火が長引き、先進国で社会の分断が目立つ中、日本の安定性は際立っています。日本はコロナ禍後の新しい世界秩序の中で大きな恩恵を受けるポジションの確保に成功したと思います。2024年はそれがより強く実感できる年になると期待したいですね。
(埼玉新聞 2023年12月18日掲載)
1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
(略歴)
〈当資料に関するご留意事項〉