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やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金

第57回 夏休みの体験

夏休みは、楽しそうな顔をした子どもたちをよく見かけます。

普段の学校とは違う非日常の生活だろうからね。

みんなキャンプや川遊びなどで楽しんでいるのでしょうか。

それだけじゃなく、最近は銀行がお金の教室、博物館が親子向けイベントなど積極的に開催しているね。

無料や格安なイベントが多くあると聞きました。

しかも実用的な知識や教養が身について役立つしね。

旅行などは値上がりしているようですね。

夏本番の到来でレジャーや旅行が活発になっています。8月の新幹線や航空機の席の予約は、前年比40~50%の増加と好調です。それでもコロナ禍前の2019年と比較すると、約5%の減少です。やはり大きいのは物価上昇でしょう。19年と比較すると、賃金は上がったとはいえ物価の上昇には全く追いついていません。統計的には約5%、賃金より物価の方が上がっています。消費者にしてみれば節約志向になるのも当然です。

特に旅行やレジャーはインバウンドの外国人と重なります。外国人にしてみれば日本は円安もあり全てが格安の国です。外国人を当て込んだホテルや外食では、大幅な値上がりが目立ちます。昔の値段を知る日本人からすれば、いくら何でも高すぎるという納得できない感覚はあるようです。

そこで意外な救世主になっているのが定額減税です。所得によって金額は違いますが、一人当たり約4万円が6~7月の夏休みの予定を立てる時期にほぼ行き渡りました。当初はどうせ日常の生活費で消える、不公平などと評判の悪かった定額減税ですが、夏のレジャー消費や買い物に役立てる人は多いようです。

最近はビジネスの場で体験や経験が重視されます。自発的に何かをしたいという内発性を育むからです。また、多くの経験や体験を積んだ人は他人への共感力が高くなると言われています。内発性や共感力の高い人を人財としてみると、積極的な事業展開やチーム運営などビジネスの武器になるのです。

しかし暑い夏、電気代も心配だし節約も必要ですね。電気ガス代は9~10月に補助金が復活して一般的な家庭で約1500円程度安くなる見込みです。図書館や集会場など多くの公共施設は、クーラー代を節約したい人に積極的な来訪を促しています。日本は世界でも有数の公共施設が充実した国です。積極的にお得に利用したいですね。

(埼玉新聞 2024年8月12日掲載)

チーフ・エコノミスト/チーフ・ストラテジスト 
黒瀬 浩一

黒瀬浩一

1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。

(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)

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(略歴)

  • ―1987年 慶応義塾大学 商学部を卒業後、大和銀行(現りそな銀行)に入行
  • ―1990年 ダイワ・オーバーシーズ・ファイナンス(香港)を皮切りに一貫して証券投資業務に従事
  • ―1996年 公益財団法人国際金融情報センターで米国担当シニアエコノミストに従事
  • ―1999年 信託財産運用部(現りそなアセットマネジメント株式会社)にて、一貫してエコノミスト、ストラテジスト業務に従事

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