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やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金

第93回 鍋料理と経済

寒い冬は鍋料理がおいしいです。

心も体も温まるよね。ただ鍋の具材の値段は気になるね。

どれも値上がりしているのですか。

下がったものと上がったものが混在しているね。

下がるものが増えてくれると具だくさんの鍋が食べられそうです。

庶民としてはそう願いたいよね。

寒さが厳しくなると鍋料理を食べたくなることが多いのではないでしょうか。気温と鍋料理の頻度には統計的に強い関連性があることが知られています。さらに週末など鍋料理を食べやすいタイミングに頻度が増すことも知られています。鍋料理は、個食が多い現代社会では家族や友人が集まる良い機会になります。集まる場があれば会話も弾むことでしょう。場を共にする文化は日本の伝統でもあります。

今年は1月中旬以降に冷え込んだことで、ハクサイやネギなど葉物野菜は豊かに実って値段が下がりました。一方、鶏肉、豚肉、卵はエネルギーコストの上昇や円安などが原因で値段は高止まっています。カキ養殖が不作で値段は上がっています。地球温暖化の影響が指摘されています。
食品価格と言えば、8日の衆議院総選挙で食料品の消費税率の引き下げが争点の一つとなりました。野党は選挙戦でほぼ常に消費税率の引き下げを主張しました。しかし今回違ったのは、与党の自民党が2年間に限定して食料品の消費税率の引き下げを公約としたことです。ここまでくれば、減税の範囲は違っても、選挙結果がどう転んでも消費税は減税となる可能性は高いと言えました。

消費税は社会保障の財源になっています。衆議院の解散でずれ込みますが、その意味で消費税減税は、高市総理が野党に呼びかけた国民会議での議論を前提に社会保障改革を伴うことになるとみられています。高市総理が「実現に向けた検討を加速」など慎重に言葉を選ぶ理由もここにあるのです。

金融市場では、減税などバラマキの度が過ぎることで、財政破綻や円安が止まらなくなるリスクを織り込み始めました。まだ深刻なものではありませんが、国民会議での議論の行方は注視すべきです。

鍋料理はインバウンドの外国人にも人気です。おいしさはもちろんのこと、料理を目の前で調理することにエンターテインメント性があるからです。実は目の前で調理して、出来たての同じものを同時に食べる習慣は西洋など多くの国ではありません。外国人から見ればとても珍しい日本の文化なのです。

(埼玉新聞 2026年2月16日掲載)

チーフ・エコノミスト/チーフ・ストラテジスト 
黒瀬 浩一

黒瀬浩一

1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。

(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)

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(略歴)

  • ―1987年 慶応義塾大学 商学部を卒業後、大和銀行(現りそな銀行)に入行
  • ―1990年 ダイワ・オーバーシーズ・ファイナンス(香港)を皮切りに一貫して証券投資業務に従事
  • ―1996年 公益財団法人国際金融情報センターで米国担当シニアエコノミストに従事
  • ―1999年 信託財産運用部(現りそなアセットマネジメント株式会社)にて、一貫してエコノミスト、ストラテジスト業務に従事

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