1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金
イランで戦闘が激化し、ホルムズ海峡がほぼ封鎖状態にあり、石油タンカーの通行が難しくなっている。
ワタシたちの生活にはどんな影響が出ますか。
まずはガソリンや灯油など原油関連製品の価格上昇だね。
ほかにはどんな影響がありますか。
円安で輸入する食料品も値上がりするリスクがある。
米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃は当初、イランの体制転換を目標としていました。両国は、最高指導者ハメネイ氏を殺害して後継者に国際社会と融和的な人物を据えれば、体制転換が出来ると安易に信じていた節があります。しかし、事はそう単純ではありません。ハメネイ氏の後継には次男でより強硬な宗教指導者モジタバ・ハメネイ氏が就任して、敵対関係はより深まったと見られています。そこでトランプ政権は新たなイラン攻撃の目的をミサイルの破壊、核開発の中止、海軍力の殲滅(せんめつ)、周辺のテロ組織への支援の減少へと変えました。体制転換は簡単ではないがために、戦闘を優位に終える方向に切り変えたと見られます。
なぜか。戦闘が激化して、ホルムズ海峡の封鎖、原油タンクへの攻撃、民生用の水道施設への攻撃、原油生産施設への攻撃などにより世界経済に大きなダメージが出る可能性が高まってきたからです。3月8日にはトランプ大統領が戦闘開始以来、初めて公式の記者会見を行い、停戦について言及しました。
イランでの戦闘は主に二つのルートで日本経済に悪影響を与えます。一つは原油などエネルギー価格の上昇です。戦闘開始前の原油価格は1バレル当たり65ドル程度でした。これが乱高下しながら80~120ドルへと上昇しました。もう1つは円安です。通貨安は原油価格上昇の悪影響を受けるアジア各国に共通の現象です。円安は原油だけでなく食料など輸入品目の価格が上がる要因になります。ガソリンなど石油関連製品の国内価格は既に上昇傾向にあります。
今後どうなるか、鍵となるのは停戦の行方です。こういう場合は最良と最悪の二つのシナリオを想定して、事態がどの方向に向かうかを見守るのが得策です。
最良シナリオは早期の停戦です。ホルムズ海峡の封鎖が解除されたら、原油価格も円相場も戦闘開始前に戻る可能性があります。最悪シナリオは戦闘が激化して長引くことです。その場合、さらなる原油価格の上昇や円安を覚悟しなければならなくなる可能性がないわけではありません。
(埼玉新聞 2026年3月23日掲載)

1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
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