スマホ用ページはこちら

やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金

第103回 AI(人工知能)革命

金融市場ではAI革命と呼ばれ始めている。

ワタシたちの生活には、どんな影響がありますか。

例えば、株式市場ではAI関連銘柄が株価を大きく持ち上げている。

革命は大げさじゃないですか。

18世紀に英国で始まった産業革命に匹敵するとの見方もある。

AIの技術革新は、2023年ごろから普及し始めた生成AIにより、それまでのAIとは異次元の高性能を実現しました。大規模言語モデルの開発により、AIが人間の脳に近い機能を持つようになったのです。

AIは表面的にはチャットボットのようなアプリの中で稼働します。しかし、その背後には、AIを動かすための5層構造の巨大な産業インフラがあります。第一層は再生可能エネルギーを含む発電、送配電網です。AIは電力消費量が多いため、米国で電力不足から発電所の建設ブームが起きています。第二層はAI専用の最先端の半導体です。製造できる企業は世界の中でも日本を含むごくわずかな国にだけ存在します。第三層はデータセンターです。日本からスマホやPCでAIを利用すると、多くのケースで信号が海底ケーブルを通って米国のデータセンターに接続してAIが稼働します。第四層は大規模言語モデルです。そして第五層がやっと利用者が触れるアプリです。

AIは汎用技術とされています。これは技術史において、産業の基礎となる技術を意味します。汎用技術は特殊技術と組み合わさることで、具体的な商品となります。単純化すると、蒸気機関という汎用技術は船舶技術と組み合わさって蒸気船に、電気という汎用技術は電球やソケットと組み合わさって電灯に、という具合です。

AIはアプリと組み合わさることで具体的な商品になります。アプリは、人間の細胞や生活、企業活動、国家運営、宇宙開発などあらゆる場面で生じるデータから現状を分析して将来を予測する機能を持ちます。この機能を高度化させれば、データ発生源の多くの面で、利便性や生産性が飛躍的に高まると期待されています。これこそが、AIが単なる便利な商品ではなく、社会変革をもたらすAI革命とも評される理由です。

AIの開発は、日本、米国、台湾、韓国などごく一部の国の経済に多大な好影響をもたらします。これが原因で世界の中で株価が大きく上がっているのは、これらごく一部の国に限られています。

(埼玉新聞 2026年7月6日掲載)

チーフ・エコノミスト/チーフ・ストラテジスト 
黒瀬 浩一

黒瀬浩一

1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。

(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)

黒瀬レポートはこちら

(略歴)

  • ―1987年 慶応義塾大学 商学部を卒業後、大和銀行(現りそな銀行)に入行
  • ―1990年 ダイワ・オーバーシーズ・ファイナンス(香港)を皮切りに一貫して証券投資業務に従事
  • ―1996年 公益財団法人国際金融情報センターで米国担当シニアエコノミストに従事
  • ―1999年 信託財産運用部(現りそなアセットマネジメント株式会社)にて、一貫してエコノミスト、ストラテジスト業務に従事

〈当資料に関するご留意事項〉

  • 当資料は、投資環境や投資に関する一般的事項についてお伝えすることを目的にりそなアセットマネジメント株式会社が作成した情報提供資料です。
  • 当資料は、投資勧誘に使用することを想定して作成したものではありません。
  • 当資料は、当社が信頼できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
  • 運用実績および市場環境の分析等の記載内容は過去の実績および将来の予測であり、将来の運用成果および市場環境等を示唆・保証するものではありません。
  • りそなアセットマネジメント株式会社が設定・運用するファンドにおける投資判断がこれらの見解にもとづくものとは限りません。
  • 当資料に指数・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権、その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料の記載内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。