1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金
日経平均株価は最近ずいぶん値動きが大きいね。
そうなんですね。
日経平均株価の日々の変動が頻繁に1千円を超える。
一日でそんなに動くんですか。
実は最近もっと大きな変動を望む個人投資家も増えている。でも、投資の基本に帰ることが大事だと思う。
最近の日経平均株価は日々の変動幅が非常に大きくなっています。株価の水準自体は総じて高値圏を維持しています。しかし、値幅が1千円を超えると大きな値動きだと感じる人も多いでしょう。この大きな変動をもたらしているのは、簡略化して言うと人工知能(AI)革命に対する期待と落胆の繰り返しです。半導体製造業などAI関連銘柄のウエートが高い韓国の株価指数は、日々の変動が5%を超えることがしばしばあります。日本に例えるなら、日経平均株価が上下に3千円以上振れるイメージです。
しかし、日本でも変動の大きな韓国株などを見て、日本株は変動が少なく退屈な市場だと見なす個人投資家も増えているようです。
投資にはさまざまなスタイルと手法があります。ただ、個人投資家に向くのは、経済規模がインフレ分も含めて右肩上がりの環境の中、長期的にその果実を享受しようとする投資です。資産価格は長期的には経済の基礎的条件と整合的な水準に回帰するという考え方に基づいています。リスク管理のためには分散することも重要です。その意味において退屈な市場という発想は個人投資家に向く長期の投資とは相いれない面があります。
昨今はマネー雑誌やユーチューブなどで短期的な株式売買に成功して大きな利益を出した人を持ち上げる企画をよく目にします。多くの読者や視聴者は自分も同じようにしてもうけたいと目論んでいるのかもしれません。しかし、そういう行為には大きなリスクが伴うことは自覚すべきでしょう。
短期の株式売買で大きな利益が出ると脳内にドーパミンが出ます。これは競馬やパチンコで勝って興奮した時に出るのと同じ脳内物質です。このドーパミンに取り付かれるのがいわゆる「ギャンブル脳」と呼ばれる状態です。ギャンブル脳になるとトータルでは損失を出していても、たまに勝って興奮して出るドーパミンの中毒のようになるのです。こうなるとギャンブル依存症に限りなく近づきます。
投資はギャンブルではありません。短期に興奮して行うものではなく、長期で冷静に行うべきものです。
(埼玉新聞 2026年8月3日掲載)

1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
(略歴)
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