スマホ用ページはこちら

やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金

第109回 利上げと金融商品選択

最近は利上げのニュースが多いね。

そうですね。

日本以外にも多くの国で利上げが実施された。

そもそも利上げとは何ですか。

インフレを防止するための中央銀行の強力な武器と言える。金利が上がると預金者として利息がお得だ。

それはうれしいですね。

9月は立て続けに利上げのニュースがありました。米国の中央銀行に相当するFRB、ユーロ圏の欧州中央銀行、日本銀行が各々0.25%の利上げを実施しました。これら世界の主要中央銀行が1カ月の間にそろって利上げを実施したのは初めてのことでした。

利上げとは、中央銀行が政策金利を引き上げることです。金利には決まり方や期間、資金の借り手の信用力に応じて、さまざまな種類があります。政策金利は、日本銀行が決定する、さまざまな金利の基礎となるものです。9月の日本銀行による利上げで政策金利は1.25%となりました。しかも、金融市場はさらに0.25%の利上げが3カ月ごとにあと2~3回はあることを織り込んでいます。

今後の利上げも見越して、10年国債金利は約3%へと上がっています。10年国債は日本政府が発行する、発行から償還までの期間が10年の債券です。最近は期間が5~7年程度の企業が発行する社債の金利が上がったことも話題になっています。信用力を表す格付けの低いIT・AI関連の社債なら、期間が5~7年程度で6~7%と高いのが特徴です。政策金利以外の金利は市場で決まります。数年前はほぼ全ての期間の金利がゼロに近い水準でしたので、隔世の感があります。

利上げの目的は景気の過熱を抑え、インフレを防ぐことです。利上げにより市場金利は上昇します。金利が上がれば消費者なら消費、企業なら投資を控え、代わりに貯蓄をするインセンティブが高まります。これは直接的には景気とインフレ率を押し下げる要因となります。ただこれまでの日本銀行の利上げの判断は、景気を押し上げる金融緩和効果の調整と位置づけられています。つまり、景気は好調を維持したまま、インフレ率を押し下げることを意図しています。

利上げによって銀行の預金獲得競争や国債や社債の販売競争、債券に投資する投資信託の販売競争が激化しています。適切なアドバイスを受けつつ、自分に合う適切な金融商品を選択する金融リテラシーの重要性が高まっています。

(埼玉新聞 2026年10月19日掲載)

チーフ・エコノミスト/チーフ・ストラテジスト 
黒瀬 浩一

黒瀬浩一

1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。

(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)

黒瀬レポートはこちら

(略歴)

  • ―1987年 慶応義塾大学 商学部を卒業後、大和銀行(現りそな銀行)に入行
  • ―1990年 ダイワ・オーバーシーズ・ファイナンス(香港)を皮切りに一貫して証券投資業務に従事
  • ―1996年 公益財団法人国際金融情報センターで米国担当シニアエコノミストに従事
  • ―1999年 信託財産運用部(現りそなアセットマネジメント株式会社)にて、一貫してエコノミスト、ストラテジスト業務に従事

〈当資料に関するご留意事項〉

  • 当資料は、投資環境や投資に関する一般的事項についてお伝えすることを目的にりそなアセットマネジメント株式会社が作成した情報提供資料です。
  • 当資料は、投資勧誘に使用することを想定して作成したものではありません。
  • 当資料は、当社が信頼できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
  • 運用実績および市場環境の分析等の記載内容は過去の実績および将来の予測であり、将来の運用成果および市場環境等を示唆・保証するものではありません。
  • りそなアセットマネジメント株式会社が設定・運用するファンドにおける投資判断がこれらの見解にもとづくものとは限りません。
  • 当資料に指数・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権、その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
  • 当資料の記載内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。