1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
やさしく解説 “りそにゃ”のお金のギモン 人生100年時代の生活とお金
最近は利上げのニュースが多いね。
そうですね。
日本以外にも多くの国で利上げが実施された。
そもそも利上げとは何ですか。
インフレを防止するための中央銀行の強力な武器と言える。金利が上がると預金者として利息がお得だ。
それはうれしいですね。
9月は立て続けに利上げのニュースがありました。米国の中央銀行に相当するFRB、ユーロ圏の欧州中央銀行、日本銀行が各々0.25%の利上げを実施しました。これら世界の主要中央銀行が1カ月の間にそろって利上げを実施したのは初めてのことでした。
利上げとは、中央銀行が政策金利を引き上げることです。金利には決まり方や期間、資金の借り手の信用力に応じて、さまざまな種類があります。政策金利は、日本銀行が決定する、さまざまな金利の基礎となるものです。9月の日本銀行による利上げで政策金利は1.25%となりました。しかも、金融市場はさらに0.25%の利上げが3カ月ごとにあと2~3回はあることを織り込んでいます。
今後の利上げも見越して、10年国債金利は約3%へと上がっています。10年国債は日本政府が発行する、発行から償還までの期間が10年の債券です。最近は期間が5~7年程度の企業が発行する社債の金利が上がったことも話題になっています。信用力を表す格付けの低いIT・AI関連の社債なら、期間が5~7年程度で6~7%と高いのが特徴です。政策金利以外の金利は市場で決まります。数年前はほぼ全ての期間の金利がゼロに近い水準でしたので、隔世の感があります。
利上げの目的は景気の過熱を抑え、インフレを防ぐことです。利上げにより市場金利は上昇します。金利が上がれば消費者なら消費、企業なら投資を控え、代わりに貯蓄をするインセンティブが高まります。これは直接的には景気とインフレ率を押し下げる要因となります。ただこれまでの日本銀行の利上げの判断は、景気を押し上げる金融緩和効果の調整と位置づけられています。つまり、景気は好調を維持したまま、インフレ率を押し下げることを意図しています。
利上げによって銀行の預金獲得競争や国債や社債の販売競争、債券に投資する投資信託の販売競争が激化しています。適切なアドバイスを受けつつ、自分に合う適切な金融商品を選択する金融リテラシーの重要性が高まっています。
(埼玉新聞 2026年10月19日掲載)

1999年より20年以上にわたり、エコノミスト/ストラテジストとして資産運用業務に一貫して従事。「りそなの顔」としてBSテレビ東京「日経+9」、日経CNBC「昼エクスプレス」等のレギュラーコメンテーターを務めるなど、情報メディアへの執筆・出演も多数。2023年からNewsPicksプロピッカーに就任。資産形成Webメディア「finasee(フィナシー)」にコラムを連載中。
(著書)
「時代の「見えない危機」を読む ――迷走する市場の着地点はどこか」(2020年、慶應義塾大学出版会)
(略歴)
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