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投資を始める前に必ず知っておきたいルール 第3回

資産運用で失敗したくない方必見!投資を始める前に必ず知っておきたいルール 第3回
資産運用で失敗しやすい2つのパターン②

りそなアセットマネジメント株式会社
運用戦略部 プロダクト・マネージャー
山口 佳子

前回は、「資産運用で失敗しやすい2つのパターン」の1つめをお伝えしました。

投資で利益を出すために「なるべく安いときに買って、高いときに売りたい!」と思っていても、実際には感情的な判断によって「高いときに買う」「安いときに売る」という非合理的な行動をとってしまい、結果的にパフォーマンスの悪化を招いてしまっている、というものでした。このような失敗パターンの解決方法として、「長期投資(=一時的な変動に左右されずに持ち続けること)」をベースに始めていただくことをご紹介しました。

失敗しやすいパターン②

さて、今回は「資産運用で失敗しやすい2つのパターン」の2つめをご紹介します。

先ほど「長期投資が重要」とお伝えしたばかりではありますが、実は、ただ長く持つだけではうまくいかない場合があります。「せっかく長く投資をするなら、大きく上がりそうな資産に投資を行いたい!」という方も多いと思いますが、このように「大きく上がりそうな資産」を当てに行こうとすると、失敗してしまうことがあります。

それは、「そもそも成長性が無いもの」や、「成長性が不安定なもの」に投資を行った場合です。

「そもそも成長性が無いもの」とは、例えば「商品価格(原油、穀物、貴金属等)」や「通貨」等がこれにあたります。商品や通貨自体には持続的な成長性等はなく、その時その時の価格を反映して値動きしているだけなので、長期的に持ってもあまり効果は無く、短期取引による差益を狙いに行く手法が主流となります。仮想通貨等もこの仲間に入るといえるでしょう。

以下のグラフで長期的に見ても、時代によって価格が上下に動いているだけで、持続的な成長は確認できません。

また、「成長性が不安定なもの」に投資を行う場合にも注意が必要です。

先ほど、通貨自体には成長性が無いとお伝えしましたが、新興国などにおいて国自体が大きく経済成長をしていく過程で、相対的にその国の通貨が強くなる(通貨高となる)ことが期待される場合があります。これを期待して、以前は新興国の代表格として注目されていた、ブラジルやトルコ等の通貨建てで投資を行う方も増えていました。しかし、これらの国の通貨は、現在経済成長の低迷に伴い、高値からおよそ3分の1から5分の1程度まで下落してしまっていることが分かります。

このように、新興国の中には成長性が不安定な国も多く、最悪の場合は国自体がデフォルト(破綻)してしまう場合もあるため、一国のみに長期投資を続けてもリターンが得られないことがあります。

つまり、大きく上がりそうな資産や地域を当てようとして、特定の資産や地域など、一部の非常に偏ったものだけに投資を行った場合は、非常に大きな失敗に終わってしまうケースがあるのです。 資産運用でなるべく失敗しにくい方法として、前回お伝えした「長期投資(=一時的な変動に左右されずに持ち続けること)」に加え、「分散投資(=幅広い資産や地域に投資対象を分散すること)」を組み合わせていただくことがお勧めです。

次回以降は、実際に「長期投資」×「分散投資」を実践いただく方法について、お伝えしていきます。