金融経済教育レポート Vol.11
BリーグのU15・U18・若手選手を対象に金融経済教育を実施
2026年10月29日
未来資産形成ラボでは、りそなグループがタイトルパートナーを務める男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(以下、Bリーグ)」のU15、U18および若手選手を対象に、金融経済教育をオンライン形式で実施し、約1,650名もの方々にご参加いただきました。
今回の金融経済教育では、Bリーグにもご協力いただき、選手が置かれている環境や将来直面する課題を踏まえながら、アスリートならではのキャリアやお金に関する課題を題材としU15、U18、若手選手それぞれに異なる内容の金融経済教育を実施しました。
本レポートでは、実施内容や当日の様子に加えて、各講義で登壇した講師から選手の皆さんに特に伝えたかったメッセージについてご紹介します。
選手の皆さんに共通してお伝えしたかったこと
U15、U18、若手選手の方すべてに共通してお伝えしたのは、若いうちから将来を見据え、自身の人生とお金について考えることの大切さです。特に、プロアスリートを目指す、あるいはプロとして活動する選手にとっては、競技人生の先も含めた長期的な視点を持つことが重要です。
では、なぜ早い段階から将来とお金について考えることが大切なのでしょうか?
プロバスケットボール選手は、一般的なサラリーマンとは収入の在り方が異なる場合があるからです。一般的なサラリーマンの場合、長期間にわたって継続的に収入を得ながら、年齢やキャリアに応じて収入が変化し、勤務先によっては退職金を受け取るケースもあります。一方、プロバスケットボール選手の場合、若いうちから高い収入を得る可能性がある反面、現役として活動できる期間には限りがあり、けがや引退などによって収入が大きく変化することもあります。
そこで、U15、U18、若手選手の皆さんに考えていただいたのが、「将来の収入の変化に備えて、どのように準備をするか?」ということです。
収入が多い時期にすべてを使ってしまうのではなく、将来の収入や支出の変化を見据えて、お金を貯めたり、将来に向けて準備したりすることが大切です。だからこそ、若いうちから自分の将来を思い描き、お金について考えていくことが重要になります。
U15、U18の金融経済教育
加えてU15・U18の選手には、将来の夢や目標を実現するために、お金とどのように向き合っていくかを考えていただきました。プログラムでは、主に以下の3つのテーマを取り上げました。
<プログラムのテーマ>
- ①ライフプランを考えよう
- ②お金の育てかた
- ③金融犯罪には注意
まずプログラムの中では、「上限25万円の範囲で1か月の収支を考えて家計をやりくりする」ワークを実施しました。ワークでは、目標を達成するためにはどのようなお金の使い方が望ましいのかを考え、収支を見直すことを通じて、お金を計画的に管理することの大切さを学んでいただきました。ワークの途中では、「余ったら貯める」のではなく、「最初に貯める額を決める」ことが貯金のコツであることをお伝えしました。そのうえで収支を見直してもらったところ、多くの選手が1万円以上の貯金を確保しながら1か月の収支を組み立てていらっしゃいました。この結果からは、当初考えていたお金の使い方を見直し、限られた収入の中で優先順位を考えながら支出を調整する様子がうかがえ、お金の管理について考える機会となったことが見受けられました。
また、アンケートでは「将来のお金の使い方など今はまだ考えていなくても、これから一人暮らしを始めたら一人でやらなければいけないので、もっとお金や将来のことについて考えようと思いました」といった声も寄せられ、本プログラムを通じて、お金を計画的に管理することの大切さや、将来を見据えて考えることの重要性を感じていただけたようでした。
さらに、1か月という短期的な視点から将来のライフプランへと視野を広げ、バスケットボールのための留学など将来やりたいことの実現にはお金の準備が必要であることを確認したうえで、将来に向けてお金を準備する方法の一つとして、投資によってお金を「育てる」という考え方についても紹介しました。
また、お金を「使う・貯める・育てる」という視点に加え、「守る」ことの大切さも取り上げました。特に最近問題となっているSNSをきっかけとした詐欺など、若者が金融犯罪に巻き込まれるリスクなどを紹介し、お金に関する危険が身近なところにも潜んでいることをしっかりとお伝えしました。
〇U18で使用したワーク
プログラム後の質疑応答では、選手の皆さんから「投資はいつからできますか?」「貯金と投資はどちらが大事ですか?」といった質問も寄せられ、お金について自分ごととして考えている様子がうかがえました。
U15講師コメント: U15の選手の皆さんへ講義を行うにあたり、特に意識したのは、ライフプランニングや資産運用を「難しい金融知識」としてではなく、「将来の夢や目標を実現するために必要なもの」として捉えていただくことです。U15の皆さんにとって、資産運用を今すぐ実践する機会はまだ限られていると思います。そのため、資産運用だけに重点を置くのではなく、1か月の収支を確認するワークや将来のライフプランを考えるワークを通じて、お金と人生のつながりについて考えていただけるような構成にしました。将来、自分自身でお金を管理し、資産運用について考える場面は必ず訪れます。その際に、今回学んだ内容を思い出し、ご自身の選択や判断に少しでも役立てていただければ幸いです。
(未来資産形成ラボ 味志)
U18講師コメント:U18の選手の皆さんは、進路を具体的に考え、プロバスケットボール選手になることが現実的な選択肢となってくる年代です。だからこそ、プロになることだけをゴールとせず、その先の人生まで見据えて考えることの大切さをお伝えしました。ワークでは選手の皆さんに問いかける場面もありましたが、的確な回答が多く、お金に関する理解の深さに驚かされました。今回のプログラムが、長い目で自分の人生やライフプランを考えるきっかけになればうれしく思います。
(未来資産形成ラボ 藤田)
若手選手の金融経済教育
U15・U18では将来を見据えたお金との向き合い方を中心に考えていただいた一方、すでにプロとして活動する若手選手には、より実践的な内容を取り上げました。プログラムのテーマは以下の通りです。
<プログラムのテーマ>
- ①社会人として知るべきお金の基礎知識を知る
- ②ライフイベントに必要なお金をイメージする
- ③プロアスリートならではのライフプランニングについて知る
- ④賢くお金を運用する手段を知る
まずは、社会人として知っておきたいお金の基礎知識を確認したうえで、今後のライフプランを考え、自己研鑽や移籍に伴う生活環境の変化など、さまざまな場面でどのくらいのお金が必要になるのかを具体的お伝えしました。
また、プロアスリートは、活躍状況などによって収入が大きく変動する可能性があります。そこで、現在の収入だけでなく、選手生活の先も見据え、将来受け取る年金などの具体的な数字も交えながら、長期的な視点でお金について考えていただくとともに、将来に向けた資産形成の選択肢の一つとして、NISAをはじめとした資産運用の仕組みや基本的な考え方についてもお伝えしました。
プログラム後のアンケートでは、「若い時からお金について真剣に考え、先を見据えた使い方をするべきだと強く感じた」「税金のことなど税理士に任せっきりな部分があり、自分自身で考えたことがなかったのでとてもいい勉強になった」といった声も寄せられました。お金について自ら考えることの大切さ、および将来を見据えてお金と向き合うきっかけを提供できたのではないかと考えています。
講師コメント:私自身、以前にあるプロ野球選手から「米メジャーリーグの選手たちは若いうちから自分のセカンドライフを見据えて当たり前のように資産運用を学んでいるんですよ!」という話を聞いていたこともあり、改めてプロ生活の早い段階でマネーリテラシーをしっかり身に付けることの重要性をお伝えすると共に、既に高額の収入を手にしている若手選手もおられることから、具体的な資産運用の方法についてもご紹介しました。受講後のアンケートでは「1年以内に投資を始めたい」と回答した方が多かったこと、また「アスリートだからこそ、お金について考えなければならないと思った」といったコメントも寄せられ、今回のセミナーがお金について掘り下げて考えていただく良い機会になったのではないかと思います。若手選手の皆さんの時折頷かれる表情や真剣な眼差しをモニター越しに拝見するたびに、試合とはまた異なる彼らの「熱気」を感じることができました。。
(未来資産形成ラボ 所長 南川)
未来資産形成ラボが提供する金融経済教育
今回の金融経済教育では、選手の皆さんに、お金に関する基本的な知識だけでなく、自身の夢や目標、その先の人生とお金を結びつけて考えていただくことを意識しました。
日々のお金の使い方からライフプラン、資産形成まで、将来を見据えてお金と向き合うことの大切さを感じていただけたのであれば嬉しく思います。
本金融経済教育の実施にあたり、ご協力いただきましたBリーグをはじめ、関係者の皆さまに心より御礼申し上げます。
今後も未来資産形成ラボでは、幅広い世代に対し、金融や資産形成をより身近に感じ、自らの将来について考えるきっかけとなる金融経済教育の提供に取り組んでまいります。
なお、今回の金融経済教育の内容はBマガジンでも紹介されています。ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。