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戸田浩司の『サクッと!3分間コラム』第4回
超情報時代の運用スキル

世はまさに、過剰なほど情報が溢れかえる「超情報時代」を迎えています。昔はテレビ・ラジオ・新聞など数えるほどのマスメディアしか存在しておらず、情報の量も限られていました。しかし現代においては、スマホの登場やSNSの普及により、情報媒体が急増すると同時に世の中に情報が溢れかえるようになりました。みなさんの中にも、日々情報の渦にのまれて溺れそうになっている方が多くいらっしゃるかもしれません。

実は運用業界でも同じことが起こっています。投資情報について昔は紙媒体の情報誌・電話での情報収集・企業への足を使った個別取材など限られた情報ソースしかありませんでした。しかし現代においては、投資先企業のホームページにおける情報発信が毎日あり、証券会社レポートなど外部からのEメールが毎分届き、情報端末におけるニュース更新が毎秒更新される、など一日に処理すべき情報量は膨大になっています。

溢れる情報の選別は運用者のスキルの1つ

この大量な情報と運用者はどう付き合っているか、情報の波をどのように乗りこなしているのか。運用がどのような仕事なのか知ってもらうと同時に、同じく投資情報過多時代に投資の判断に悩む皆さまのご参考になればと思い、私自身の行動と考えを書かせていただきます。

先ほど運用者が触れる情報について触れましたが、そもそも私どもが触れる情報は何も特別なものではありません。マーケット情報、経済統計、各種報道ニュース、企業の公開情報や証券会社から発信される投資情報など、一般の方でも手に入れることができる情報が中心となっています。

ではその入ってくる情報の量が多ければ多いほど的確な投資判断ができるのかというと、そういうわけではありません。なぜなら、大量の情報の中には、自分にとって有益な情報とそうでない情報が混在しているからです。溢れる情報の中から、有益な情報かどうかを判断すること自体が、一つの投資判断であり運用者のスキルであると言えます。

投資判断を固めるには「情報の仕分け」がカギ

例えば、私たちは朝出社して最初に、前日の海外マーケット情報とニュースをチェックします。そこでする作業は、手元に届いている膨大な情報の中から、必要な情報と判断したものはピックアップして頭に入れ、重要度がそこまで高くないと判断したものはヘッドラインだけ確認し、その他の情報はすべて未読のまま捨てていくことです。日中も様々な情報が飛び込んできますが、朝の作業と同様に仕分けを行って読んだり破棄したりしていきます。運用者は1日の多くの時間をこの情報の仕分け作業に費やしていると考えていただいてよいでしょう。こうして膨大な情報の中から真に自分にとって有益な情報を抜き出し、つなぎ合わせて、一つの投資判断の仮説を導く。その裏付け作業として企業への取材などを行うことで投資判断を固めていく、という流れになります。運用において情報処理が、投資判断の一つであることが理解していただけたと思います。

情報の取捨選択の判断軸は投資哲学

では、その情報の選別はどうしたらできるのか、これには運用者が自分の投資方針の軸をぶらさずに、投資に対する確固たる信念をもって行動することが必要だと思います。

弊社の株式のファンドマネージャー、アナリストはチーム毎に投資方針を明確に定め、その方針に沿って投資行動を行っています。具体例をあげると、高いパフォーマンスでたびたび外部表彰を受けている「ニホンノミライ」ファンドを運用するチームでは「社会構造の変化に裏打ちされた『需要サイドのニーズ』を取り込んで、持続的かつ安定した成長が期待できる企業に投資を行う」という投資哲学をもって運用を行っています。こうした投資哲学に沿って考える時にその情報が重要かどうか、それを判断軸として情報の取捨選択をしていきます。

大切なのは投資ポリシーをぶらさないこと

皆様の資産運用に置き換えますと、例えば長期の資産形成のために運用を行っていらっしゃるなら、日々の株価の上げ下げの要因や短期的な投資家売買動向などの情報は不要な情報で、長期的なグローバルマクロ経済見通しや金融政策の方向性、社会の大きなトレンド、そして保有している商品の長期パフォーマンスの分析・調査を行うことが適切であると言えます。もし短期的な売買を重視する方なら、また重要度は異なるでしょう。どちらにせよ重要なことは、ご自身の投資スパンや投資ポリシーをぶらすことなく、必要な情報を徹底して追及することです。そうすることで、不要な情報による不必要な売買を抑制することができ、真に必要な情報に基づいた的確な投資判断を行うことができるようになると思います。

ちなみに、りそなアセットマネジメントはお客様に投資情報をお届けしており、私自身も各種メディアでの投資情報の発信を行っています。皆様にとっては、目に触れる膨大な情報の一つに過ぎないかもしれませんが、私たちは少しでもお客様に有益で必要な情報を提供できるように精進しています。もし、テレビなどのメディアで私からの情報発信を見かけた際には、“その他の情報”に分類し未読にするのではなく、ぜひお目通しいただければと思います。

りそなアセットマネジメント株式会社
株式運用部
ファンドマネージャー戸田 浩司

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