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投資を始める前に必ず知っておきたいルール 
第1回 資産運用に失敗しないための5つの条件

「そろそろ貯蓄だけでなく、資産運用をした方がよいのかな?」

最近、そう感じ始めている方が多いのではないでしょうか。
「老後に2,000万円が不足する」というニュースが日本をにぎわせたこともあり、将来年金だけでは暮らしていけないかもしれない、このままの貯蓄で大丈夫なのだろうか、と漠然とした不安を抱えている方が多いと思います。

とはいっても、目の前の生活で精いっぱいでなかなか毎月の貯蓄額を増やす余裕が無い、というのも現実。そこで、将来の生活を賄う方法として、「資産運用」に関心を持たれる方が増えているのではないでしょうか。実際に、投資未経験者の方の中で資産運用が必要だと感じている人は、その理由として「給与、貯蓄、公的年金では将来を賄えないと思うから」を挙げている方が最も多くなっています。*

当コラムでは、そのような、将来のために資産運用に一歩踏み出したい方、踏み出してみたけれど何だか不安、という方に向けて、その一歩が失敗体験に終わってしまわないよう、投資において必ず知っておきたいルールを解説します。

第1回となる今回は、「資産運用の入口にしたい5つの条件」についてお伝えします。

資産運用の鉄則「将来のことは予測できない」

資産運用といっても、今の世の中ではさまざまな方法があります。株式、債券、またそれらが組み込まれた投資信託や、不動産などの現物投資に加え、仮想通貨などのこれまでにはなかったような仕組みも次々と生み出され、情報も溢れています。そもそも何から手を付けてよいか分からない、と入口から悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

そんな中で、まず覚えておいていただきたい最大の鉄則があります。
それは、「将来のことは予測できない!」ということです。これは、資産運用を行うかどうかに関わらず、世の中の法則ともいえるでしょう。(いやいや、自分は予測できるぞ!!という方には、このコラムは必要無いかもしれません…。)「明日の朝、電車が遅延するかどうか?」「明日、イヤな上司の機嫌が悪くないかどうか?」明日のことですら予測はできません。まして、20年後、30年後の世の中で何が起こっているか、自分の身に何が起きているか、今から予測することは不可能です。

資産運用で失敗しないための5つの条件

そんな予測できない将来だからこそ、私は資産運用に初めて踏み出す方の入口として、以下の5つの条件を満たすものが良いと考えています。

(1)いつでも現金に換えられるもの

長く運用を続けていく中で、いつ何時緊急事態が発生するか分かりません。せっかく資産があっても、お金が必要なときに使えない!!ということでは宝の持ち腐れです。万が一のとき、すぐに現金化できるもので運用していくのが安心です。(もちろん、緊急時以外にもすぐに現金化していては、資産は増えていきません!長期投資の効果については、シリーズの中でじっくりお伝えします。)

(2)昔から変わらずあり続けるもの

急に流行り出したものは急に無くなる可能性も高いですが、昔からあるものが急に無くなる可能性は低いといえます。たとえば、株式や債券は数百年以上前にその仕組みが生まれ、すっかり人々の活動の中に溶け込んでいます。世の中の急な変化にもなるべく影響されずに運用を続けていくには、そのように昔から変わらず、仕組みが確立されたものを利用するのが良いでしょう。

(3)なるべく手間がかからないもの

最初は楽しくて趣味のように続けられていても、将来の生活や環境の変化で、それに時間をかけていられなくなる可能性もあります。投資にハマったので仕事も辞めて投資を本業にする!というのであれば話は別ですが、仕事や生活のかたわらで無理なく行いたいという方は、なるべく気にせず放っておけるもの、なおかつ取引も簡単なものの方が、ストレスを感じずに長く続けていけるはずです。

(4)何かに一極集中していないもの

何かに一極集中して投資を行うということは、大きく当たる可能性もありますが、元手がゼロになる可能性もあるということです。例えば、一社のみの株式であれば、その会社が倒産するとその株式の価値はゼロに近くなります。ゼロからプラスが生み出されることはありませんので、何かに一極集中してお金を賭けるギャンブルのような運用方法は避けた方がよいでしょう。

(5)老朽化しないもの

老朽化するようなものを保有すると、将来管理費などのコストが想像以上にかかったり、将来売ろうと思っても売れない、ということになったりする可能性があります。今は好条件に見えても、将来の見えないコストを勘案すると、本当に資産を増やすことにつながるのかどうかは、よく考えておく必要があります。

5つの条件を満たす「投資信託」

さて、ここまで色々と条件をお伝えしてきましたが、これらの条件を満たす方法はあるのでしょうか?私は、その方法の一つが「投資信託」であると考えます。投資信託は、株式や債券などに少額から分散投資ができ、いつでも換金ができる仕組みの商品です。まずは手軽に資産運用を始めてみたい、あまり面倒なことは気にかけず長く続けていきたい、という方には、投資信託を活用して資産運用を行っていくことをおすすめします。

また、投資信託で実際に資産運用を始めてみようと考えている方には、NISA(少額投資非課税制度)などの制度を活用することもおすすめです。通常、株式や投資信託で運用した利益(売却益や配当金等)には約20%の税金がかかりますが、NISAを活用すれば運用益が非課税になるため利益をそのまま得ることができます。
特に「つみたてNISA」は、数ある投資信託のなかでも投資初心者向けに商品が厳選されており、少額から積み立てて投資ができます。
投資信託で運用してみたいけど何から始めたらいいのかわからない、という方はまずは、つみたてNISAで少額から購入して運用を始めてみるという方法が良いかもしれません。

もちろん、余裕のある方は他の方法にも手を出してみる、というのも良いですが、大きな失敗を避けるためには、まずはスタンダードなところから始めるのがセオリーです!

次回は・・・

「そうは言っても、投資信託だって損をする可能性があるんでしょ?将来のために投資を始めても、資産が減ってしまったら元も子もないよね。」
「損をしないためには、安いところで買って、高いところで売るのがいいのかな?でも、相場を見てこまめに売り買いする時間も知識もないし、自分には難しいかも。」

そんな方に知っていただきたい投資のルールについてお伝えします!

第2回 資産運用で失敗しやすい2つのパターン①

  • *出所:平成31年4月9日 金融庁「リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査について(インターネット調査結果分析の中間報告)より